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歯周病治療

歯周病とは

最近では、歯周病という言葉を歯磨き粉や歯ブラシの宣伝でよく耳にするようになり、かなり浸透してきました。
平成11年の厚生労働省の調査から成人の約70%が歯周病に罹患しているという結果が報告され、生活習慣病に新しく追加されてしまいました。
歯周病の初期症状はほとんどなく、気付いたときにはかなり進行してしまっているケースが多く見られます。早期発見、早期治療を行うためにも定期健診が重要ですので、半年に1度は検診を兼ねてのクリーニングを受けましょう。

歯周病の進行
健康な状態のイメージ
健康な状態

歯肉、歯槽骨に特に問題なく、歯もがっちりしています。
何でも食べられますし、特に苦労はありません。

初期の歯周炎(歯肉炎)のイメージ
初期の歯周炎(歯肉炎)

磨き残しがあると、歯周病菌が中に入って繁殖をして歯垢(プラーク)となり、歯と歯肉の境目の部分の歯肉に炎症をおこします。
ほとんど症状はありませんが、歯磨きのときに出血したり、硬いものをかむと痛かったりすることもあります。

中等度の歯周炎のイメージ
中等度の歯周炎

プラークに唾液中のカルシウムやリンが作用して石灰化します。この石灰化した物を歯石といいます。歯石は歯と炎症を起こした歯肉の間の溝(歯周ポケット)の中にまで到達し、歯周病菌の働きにより大きくなっていきます。この歯石を住みかとして歯周病菌は歯槽骨に向かって攻撃を進めていき、歯槽骨を吸収していきます。

この頃から歯のぐらつきや、歯磨きの度に出血する、口臭がある、噛むと痛いなど様々な自覚症状が出始めます。

重度の歯周炎のイメージ
重度の歯周炎

歯槽骨の吸収が進むと歯のぐらつきが大きくなり、軟らかい物でも噛むのに苦労します。また、出血や口臭などのその他の自覚症状も強くなります。見た目には歯肉が炎症を起こして腫れているため、あまり変化が無いように見えますが、歯石や歯周病菌が、歯全体を取り囲むように存在し、やがて自然に歯が脱落します。

このように、磨き残しに生息しはじめた歯周病菌が歯肉に炎症を起こし、歯槽骨を吸収していくのが歯周病の実態です。つまり、歯周病とは、歯周病菌の感染による、歯槽骨の病気です。

この歯周病を悪化させる誘因は

磨き残しによって歯石が多量に沈着します

歯肉の毛細血管が収縮し、血流を悪くし回復力が低下します

多量のアルコールは免疫力を低下させます

体が疲れていると抵抗力が低下します

唾液の流出量が少なくなり、唾液の殺菌力による自浄作用が低下します

等の生活習慣があげられます。ですので、治療は歯科医院での専門的な治療のほかに、ご自身での生活習慣の改善も大切な治療の1つになります。

歯周病の原因

歯周病の原因は、磨き残しに集まってきた歯周病菌の増殖によって起こります。
ですが、進行するにはその他の様々な因子が複雑に絡み合って病状が悪化していきます。

歯周病 細菌 環境 咬合 宿主

細菌

歯周病菌のことを指します。歯周病菌にも種類が色々有り、中には悪性度の高いものもあります。

環境

お口の中の環境です。磨き残し、喫煙、歯に合っていない修復物、などがあてはまります。

咬合

咬み合せの事です。人間の歯は少しずつ咬耗(磨り減る事)をしていきます。硬い金属の修復物はほとんど磨り減ることはないので、最初は咬みあわせがあっていても、時間の経過とともに強く当たってしまいます。強い過度の力は歯周組織にダメージを与え、歯周病の進行を早めてしまう誘因になります。
また、就寝中の歯ぎしりや、食いしばりも含まれます。

宿主

ご自身の体のことです。糖尿病や高血圧、体全体の状態がよくないと、抵抗力の低下により歯周病を悪化させる要因となります。ストレスや過度の飲酒などの生活習慣によるものもここに含まれます。

つまり、歯周病は、歯周病菌の増殖により歯周組織が破壊されながら進行していきますが、その増殖を手伝ってしまうような悪い口腔内環境、歯周組織の破壊を手伝ってしまう不適切な咬合、増殖に対する宿主側の抵抗力、回復力の低下、が歯周病の悪化の速度を早めているのです。

このように沢山の因子の複合によって歯周病は進行していきますが、歯周病菌は増殖してくると、時にはお口の中にだけにとどまらずに、唾液や血液に乗って心臓(細菌性心内膜炎)や肺(嚥下性肺炎)などの病気を引き起こしたり、敗血症、早産、低体重児出産など全身に影響を及ぼしていく場合もあります。妊娠中の方や、全身的な病気を患っている方は特に注意が必要です。

歯周病の治療

歯周病の治療は、歯周病の進行を手伝ってしまうような誘因を除去し、改善していくことがメインになります。
また、進行の程度によって最終的な治療の目標が変わってきます。

軽度の歯周炎
軽度の歯周炎のイメージ
目標:元の状態に戻すこと

まず、歯の周りについている歯石を除去(除石)します。軽度な歯周炎の場合、歯周ポケットもそんなに深くなく、歯槽骨の吸収もほとんどないため、歯石を除去し、適切な歯磨きを行うことで元の状態に戻ることがほとんどです。
後は、再度歯石が付着しないよう適切な歯磨きの指導と、他に不適合な修復物による段差や咬み合わせなどの誘因がないかチェックします。ある場合にはその部分の治療を行います。

中等度の歯周炎
中等度の歯周炎のイメージ
目標:現状の歯槽骨をこれ以上吸収させないこと

まず、歯の周りについている歯石を除去します。中等度の歯周炎の場合、歯周ポケットはやや深めで、歯槽骨の吸収もありますので、ポケットの底部付近に付着した歯石を除去し、歯根面の歯周病菌に感染している部分もきれいにする必要がありますので、より細かく除石を行う必要があります。それでも、炎症の改善が見られない場合には、歯周ポケットをなくすための歯周外科手術を行います。後は、再度歯石が付着しないよう適切な歯磨きの指導と、他に不適合な修復物による段差や咬み合わせなどの誘因がないかチェックします。ある場合にはその部分の治療を行います。

治療後は、腫れていた歯肉は引き締まり歯周ポケットはなくなりますが、歯槽骨の吸収してしまった部分は元には戻らないので、歯が長くなったように見えます。
また、場合によっては"しみる"といった症状が出ることもあります。
目標は現状維持になりますが、再生療法を行うことで、元の状態に戻すことが可能な場合もあります。

重度な歯周炎
重度な歯周炎のイメージ
目標:咬合機能と審美性の回復

まず、その歯が残せるかどうかを診断します。
残せる場合には、除石、歯周外科手術、他の歯との連結、などを行い、その歯にかかる力を極力軽減させる必要があります。骨吸収が大きい場合や、無理に残しておくことで他の歯に悪影響を及ぼしてしまうような場合には抜歯します。特に上下とも大臼歯の場合には、1本の歯に複数の歯根があり、形も非常に複雑であるため、歯根と歯根の間(根分岐部)に骨吸収がある場合には、抜歯を行わなくてはならないケースが多くなります。

基本的に歯周病の治療は、歯科医師、歯科衛生士が行うことは、歯石の除去(細菌に対する治療)と再度歯石が付着しないようにお口の中の環境を改善し(環境に対する治療)咬合のバランスを整えることです(咬合に対する治療)。

後は、患者様に生活習慣の改善(宿主に対する治療)をお願いします。この4つが揃うことで歯周病の治療は成り立っていきますので、患者様と歯科医師、歯科衛生士の連携が、治療には最も大切です。

再生療法

GTR法とエムドゲイン

中等度以上の歯周病は歯の周りの骨(歯槽骨)の吸収が起こっています。
この歯槽骨の吸収は、ほとんどの場合、歯周病が完治しても元の形には戻りません。この吸収した歯槽骨の形に添うように、歯肉が表面を覆っていますので、歯の表面が以前と比べ多く露出します。そのため歯が長くなったように見えてしまったり、歯が空いてしまったり、時には歯がしみるといった症状がでてくることがあります。

GTR法とエムドゲインのイメージ

これは、歯槽骨に再生能力が無いわけではなく、歯肉の治癒能力のほうが、スピードが早いために起こってしまう現象です。この歯槽骨の吸収してしまった部分に歯肉が入り込んで再生するのを阻止し、歯槽骨の再生を促すのが再生療法です。再生療法には2つの方法があり、歯の周りにメンブレンという特殊な膜を張り、歯槽骨の吸収してしまった部分に歯肉が入り込むのを阻止し、歯周組織の再生を待つGTR法と、吸収してしまった部分に直接、歯周組織の再生を促すような薬剤を塗布するエムドゲイン法があります。

GTR法
GTR法のイメージ

歯周病で破壊、吸収された歯周組織は、その原因を除去すれば再生しようとします。しかし、歯周病に罹患した部分を清掃した後に何もせずそのまま治癒を待つと必要な支持組織が再生する前に歯肉がそこに入り込み歯周組織の再生を阻んでしまいます。そこで、歯周ポケット内部を清掃した後にメンブレンと呼ばれる膜を設置し、外からの不要な歯肉が入り込まないよう防御します。そうするとメンブレンの下には歯周組織が再生を始め、ゆっくりと成長していきます。この成長には時間を要しますので、メンブレンの下が新しい組織で満たされるまで一定期間保持しておく必要があります。(平均4週間)その後、4週間から8週間後にメンブレンを取り除きます。

新たに再生された歯周組織は、始めのうちは非常に幼若ですが、時間の経過とともに成熟し、完全にもとの組織と同じ位の成熟度に達します。

メンブレンを用いた再生療法の場合、生体親和性の高い人工繊維を用いて作られた膜を用いますので、アレルギーなどの問題がなく、再生させたい骨量がある程度多い場合でも対応可能です。しかし、歯肉の進入を阻止する反面、骨面からの血液供給も遮断してしまうため、歯肉の治りが遅い場合もあり、また、成功しても4~8週間後に膜を取り除くためにもう一度手術が必要であるといったデメリットもあります。

※歯周病がかなり進行してしまっているような場合には、適応にならない場合もあります。

エムドゲイン法
エムドゲイン法のイメージ

エムドゲイン法の目的は、GTR法と同じく、歯周組織を再生させることです。
GTR法では、歯肉が入り込むのを膜を用いて阻止しますが、エムドゲイン法では、エムドゲイン・ゲル(エナメルマトリックスデリバティブ)という薬剤を欠損部に入れ、歯肉の侵入を防ぐと同時に歯周組織の再生を促します。このエムドゲイン・ゲルは時間の経過とともに歯周組織の再生を促しながら吸収していきますので、GTR法のように後からもう一度手術を行う必要はありません。

このエムドゲイン法は、GTR法と比べ比較的簡単に手術が終わりますし、使用した薬剤が再生を促しながら吸収されていくので、薬剤を取り除くための手術を必要としません。しかし、使用する薬剤がゲル状であることから再生させたい部分の骨量のコントロールが難しく、適応となる症例はGTR法と比べやや狭いのが現状です。

どちらの再生療法も安全性は高く、効果は高いのですが、再生できる骨量には限界があるため、高度に進行した歯周病は適応にならないのが現状です。

エムドゲイン、GTRの治療費
エムドゲイン \73,500
GTR \105,000

※各費用は1ブロック単位の費用です

再生療法による治療効果

GTR法エムドゲイン法といった再生療法でどのような治療効果が期待できるかというと、進行し始めのいわゆる初期から中期前半の歯周病の進行を食い止めることが期待できます。これらの治療方法は、直接骨を作るのではなく失った部分の骨の再生を残っている骨内の骨牙細胞(骨を作る細胞)を誘導することにより再生を促す治療方法ですので現在残っている骨の高さの最も高い部分までしか再生できません。
そのため高度に進行し全体的に骨の吸収が進んでしまっている場合には適応外となります。

健康な状態
健康な状態のイメージ

歯を支えている骨の量も十分あり、歯肉の厚さも健康です。歯を取り囲む歯肉の厚みは健康な状態では3mmと生物学的に決まっており、病的因子が無くなれば歯肉の厚みは3mmに戻ります。

歯周病初期
歯周病初期のイメージ

左から2番目の歯の周りの骨が垂直的に吸収していますがこの段階ではまだ両隣の歯の骨には影響を及ぼしていません。吸収した部分には炎症性の歯肉が充満しているため見た目の歯肉の高さは変わりません。

エムドゲイン適応

歯周病初期のイメージ

エムドゲインによる治療を行います。

6~8ヶ月後

歯周病初期のイメージ

術後半年位でエムドゲインを注入下部位が骨に置き換わります。歯肉は健康な状態を取り戻し引き締まるため若干術前よりも下がります。

歯周病中期前半
歯周病中期前半のイメージ

初期よりさらに吸収が進み、両隣の歯の骨の高さも少し下がっている状態です。この高さを目標に再生を促します。

エムドゲイン適応

歯周病中期前半のイメージ

エムドゲインによる治療を行います。

6~8ヶ月後

歯周病中期前半のイメージ

骨の高さは1番高いところまで再生されますが、1番高いところも健常時より下がっているので歯肉の位置もより下がります。

高度に進行した歯周病
高度に進行した歯周病のイメージ

歯を支えている骨がまったく無く炎症性の歯肉とくっついているだけか、あってもごくわずかなため咬む力を受け止めることができません。
健康な組織が歯の周りに無いため再生を促すことはできず抜歯の適応になります。

このように、現在残っている歯の周りの骨の高さが再生可能な高さの基準になりますので、適応範囲が限られているのが現状ですが、適応さえ間違えなければ治療効果は大きく得られます。

8ヵ月後にレントゲン上で治療効果の確認例

歯周病初期の例

歯周病中期の例

トシデンタルクリニック 神保町インプラントセンター

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